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外国人実習生制度における時給300円報道は支給時給? 手取り時給?

2018年11月27日SMEBlogNo comments

先日、メディアでは「技能実習生 時給300円の就業先も」という衝撃的な内容が連日報道されました。

実習生事業に係る我々にとっては、まさに当事者意識を持たざるを得ない話題であると同時に、ニュースの中で気になる箇所も幾多見つけました。

まず大原則ですが

  • 「時給300円」と連呼する割には、それが「支給時給」なのか「手取り時給」なのか報道していない。

というものがあります。

一般常識だと思いますが、通常「時給」と表現する場合は「支給時給」を意味します。

これは「外国人実習生の世界」だけでなく、おそらく「全世界」そうではないでしょうか?

どこの世界にも「手取り時給」を「時給」と表現して労働者に提示する企業は世界中見てもないと思いますが、今回の報道は肝心のその部分が極めて懐疑的です。

 

技能実習生は、その来日の目的が「研修」ですが、来日して生活する以上「賃金」というのももちろん必要です。

その賃金、基本的に「日本人と同等以上の賃金」としておりますが、何を指針にして測るかと言うと、やはり「就業県の最低賃金」でしょう。

これを割らない限りは「日本人同等以上」だといえます。

日本全国、都道府県ごとに東京の985円を最高に、最低は761円となっています(平成30年11月27日現在)。

時給300円と言うのは、明らかに全国最低賃金の半分以下であり、報道された外国人実習生がどの県で就業していたかは不明ですが、これが「支給時給」であれば、明らかな「労働基準法違反」です。

しかし「手取り時給」でしたらどうでしょうか?

現在の労基法をベースに週40時間で働くとすると、月平均174時間労働になります。

最低の県時給を当てはめると、支給月給は132,414円。

低く感じますが、これは実習生だけでなく日本人も同様ですので致し方ありません。

ここから健康保険料6774円、厚生年金保険料12,261円が引かれます。

さらに雇用保険本人負担分397円、上記該当県県庁所在市の住民税3417円、さらに所得税が1000円前後でしょうか。

これだけ控除されると手取り月収108,565円です。

ここから例えば、企業の寮に住みこんだとして、光熱費込みの家賃が25,000円引かれ、手取り月収83,565円。

3食食事つき、月25,000円(1日833円)だとすると手取り月58,565円。

これを就業時間の174時間で割ると「(手取り)時給337円」です。

 

さて、私の上記計算が「非人道的」でしょうか?

総支給には「最低賃金」を用い、控除金額はすべて公的な計算を用いています。

「光熱費込みの家賃25,000円」は、実習生個人が宿泊施設を確保しようとすると、この金額は難しいと思いますし、食費の1日833円も非人道的なレベルでしょうか?

そう考えると、上記のような試算の上で実習生を受け入れている企業もあると思いますし、その企業の待遇が決して悪いわけではないように思います。

食事なども提供してもらえると、上記の手取り月58,565円は全て自己都合の費用に回せます。

決して「非人道的」というレベルではないように思えます。

 

結局は、今回の報道の肝は

  • 「時給300円」は、それが「支給時給」なのか「手取り時給」なのか?

です。

何度も言うように、「支給時給300円」であれば、「非人道的」だけでなく、「労働基準法違反」で処罰対象です。

しかし、「様々な控除があったうえでの時給300円報道」というのは、明らかに情報が欠如していますし、内情が分かっていない人に対して誤解した情報が刷り込まれます。

また更に深く考え、「支給時給と手取り時給をあえて明示しなかった」と言うのであれば、とんでもない情報操作です。

その目的を疑います。

 

さて、実習生事業に携わる我々にとって、それでも実習生の待遇を少しでも良くしてあげたいのはもちろんです。

その上で、再び上記計算に戻っていただきたいのですが、どこか腑に落ちない点はないでしょうか?

分かりますでしょうか?

そうです。

「厚生年金保険料12,261円」という部分です。

実習生は日本人でいう「年金受給年齢」まで日本に滞在する者は、制度の趣旨上いないと思われます。

しかし、日本で暮らすうえで当然のように徴収される「厚生年金保険料」

これは現在の県最低賃金をベースに試算したものですが、もちろん賃金が上がればこれを上回ります。

月ベースの計算ですので、実習生がもし3年間の滞在をした場合、同賃金レベルで441,396円です。

帰国後に申請をすれば「一時金返還制度」があるものの、やはり得る賃金に対して高いのではないでしょうか?

彼らは年金を受給できないにも関わらずです。

もちろん年金側にも趣旨があり、決して「払った分だけのリターン」というものではなく、「現役世代が高齢世代を支えるのが主であり、リターンが主ではない」という考え方です。

しかしそれは大多数の日本人も、「払った分だけ帰ってこない」という不平が出るところであり、年金受給年齢まで確実に日本に滞在しない実習生を含めた「短期滞在外国人」ではなおさらです。

この部分、金額的には妥当なのでしょうか?

この「年金保険料」ほどではありませんが、日本の皆保険制度の上での「健康保険料」も収入に占める割合として考えると極めて高額だと思います。

こういったところ、来日前にしっかり実習生候補にレクチャーしない限りは、不満ばかりの実習になっていまします。

我々も肝に銘じ乍ら進めたい部分です。

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